【3.天地神明在家身】

 あらゆる命(いのち)あるものゝ成り立ちは、自然界そのものゝ成り立ち、すなわちこの自然の循環といういとなみが刻み込まれています。たとえば人の身体内の体液の存在が海水に由来する様に。

 そして人自身の身体を始めとして、人が生命活動(生活)をいとなむ限られた時空間である家屋という存在も、自然そのものゝ運び、すなわち水の恵み火の恵みを始めとして、自然という「おや」の運び(恩恵)に基づかずしては成り立たないものであります。

 この理(ことわり)は人の身体も、人が住む家屋をも貫いているのであり、開言師は「天地神明(ちちははのあきらかなるたましい)は家身(家にも身にも)在(とどまりいます)」の遺訓として教え残されました。